TPPによりワインの輸入は増えるか?
本日の日経新聞に、「TPP11の発効により、消費者も食品値下げなどの恩恵を受けられそうだ。」という記事がありました。
【なぜ値下げになるのか?】
海外からのワインの輸入には、通常、輸入価格の15%か一リットル当たり百二十五円のどちらか安い方で関税がかけられており、TPP11の発効により、これが8年目にゼロになるというものです。
例えば、750mlのニュージーランドワインが、輸入価格2,000円だとした場合、
・輸入価格の15%: 2,000円 x 15% = 300円
・一リットル当たり百二十五円: 125円 x 0.75 = 93.75円
という関税の計算のため、安い方の93.75円が関税となり、これが将来的にゼロになるというものです。
【どこの国のワインが安くなるのか?】
TPP11の加盟国は、日本以外では、
になります。この中で、2016年の日本のワイン輸入量トップ20に入っている国は、チリ(1位)・オーストラリア(6位)・ニュージーランド(11位)・メキシコ(12位)です。ただし、チリ・オーストラリア・メキシコについては、EPA(経済連携協定)が発効されており、現実的にはニュージーランドワインのみが今回のTPP11の恩恵を受けることになりそうです。
【日本ワインはどうなるのか?】
海外からワインの輸入が増えると日本ワインはピンチになりますが、一方でTPP11発効により日本ワインが現地で輸入される際にかかる関税も撤廃されることになりますので、日本ワインの輸出という観点ではチャンスと言えます。
海外では日本料理店が2006年から2017年にかけて約5倍に増えており、現地での日本ワインのニーズも増えています。
自分も中小企業診断士として、日本ワインの海外輸出の支援をしていきたいと思います。